誰もが働きやすい世の中をどう実現する?100人100通りの働き方を目指すサイボウズの現場における障がい者支援と「アクセシビリティ」の取り組み 

~「働き方の多様化」の先に起こること~ (ニュースレター)

サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野 慶久)は、20年以上に渡って日本人のワークスタイルの変化に寄り添い、ビジネスに必要な機能をまとめたグループウェアやクラウドサービスを提供しています。また、一般的に「働き方改革」が注目される前の2005年から、サイボウズは「働き方の多様化」に着手し、離職率激減と売上増加を実現し、今では働き方改革の成功企業の一社として注目されています。
 
本ニュースレターでは、働き方改革の最前線企業であるサイボウズだからこそお伝えできる、グループウェアやクラウドサービスを活用した働き方改革の現状や導入事例についてご紹介いたします。

今回は、サイボウズのアクセシビリティエキスパート・小林 大輔が中心となって進めている、誰にとっても使いやすいグループウェア、働きやすい社会を目指す取り組みについてご紹介します。

 

そもそも、「アクセシビリティ」とは?

 

インターネットを利用するすべての人が年齢や身体的制約、利用環境などに関係なく自由にWebにアクセスできること、そしてコンテンツや機能を制限なく利用できること、そして、そのアクセス性を確保することを「Webアクセシビリティ」と言います。
 

日本では2016年4月に「障害者差別解消法」という法律が施行され、Webサイトのアクセシビリティ対応が求められています。ただし、このアクセシビリティ対応は民間企業についてはあくまで努力義務となっているため、優先度が下がっている現状となっています。しかし、サイボウズでは、アクセシビリティエキスパートの小林 大輔が中心となり、「チームワークあふれる社会を創る」という理想のもと、誰にでも使いやすい製品や、誰にとっても障害のない環境づくりに取り組んでいます。

 

障がい者への共感と尊重が、100人100通りの働き方につながる!
 

全盲の方によるユーザビリティテストの様子全盲の方によるユーザビリティテストの様子

小林は2012年にサイボウズに入社し、プログラマーとしてキャリアをスタートしました。2014年に弱視の社員による製品のユーザビリティテストを行ったところ、文字が薄すぎて見えず、アイコンに見えるものを勘でクリックするという現実を目の当たりにしました。これは、自社のチームメンバーですら満足に製品を扱えていないという事実であり、「チームワークあふれる社会を創る」というサイボウズの理想とは遠くかけ離れたものでした。


そこで、小林は「障がい者のための対応」に取り組みはじめました。しかし一般的に、ハンディキャップを抱える方専用のデザインは、あくまで「特別対応」になってしまうため、ハンディを持たないユーザーにとってのメリットは少ない傾向にあります。

そのため、プロジェクト発足当初は、チームが一丸となって「アクセシビリティ」を実現するというよりは、どこかまとまりを欠いた取り組みになってしまっていました。

しかし、一方で、障がい者だけではなく、置かれた状況や環境によっては誰にでも「使いづらさ」や「働きづらさ」といった問題は起こり得ます。例えば、特に視力には問題を抱えていない人でも、利用端末や太陽光下の環境では、アプリケーションの操作に不自由さを感じるということは誰しも経験があるのではないでしょうか。

つまり、「社会で最も大きなミスマッチを経験している人」である障がい者のことを考えて、使いやすいデザインをつくることこそが、誰にとっても、いつでも、どこでも使いやすいデザインにつながるのです。
 

この気付きから、サイボウズにとっての「アクセシビリティ」とは、障がい者や高齢者の方が製品やサービスを問題なく利用できるように「特別対応」をするのではなく、「アクセシビリティ(Accessibility)」の語源である「Access」+「Ability」という基本に立ち返り、「ユーザーがチームにアクセスできる能力」だと考えるようになりました。すなわち、アクセシビリティを確保するということは、「チームに参加したい」というユーザーの願いを尊重し、より高いレベルで実現することなのです。


「Alexaスキルアワード2018」ファイナリストの杉崎 信清が入社
 

筑波技術大学保健科学部情報システム学科4年 杉崎 信清筑波技術大学保健科学部情報システム学科4年 杉崎 信清

サイボウズでは、アクセシビリティへの取り組みを継続していく中で、障がい者の方の声を身近に取り入れていく必要性を感じました。この考えのもと、2020年4月には、筑波技術大学保健科学部情報システム学科を卒業予定の杉崎 信清がプログラマーとして入社予定です。


杉崎は、生まれたときから目が見えませんが、パソコン画面の文字情報を合成音声で読み上げるソフトウェアを使い、高校生の頃からプログラミングを行っています。プログラミングのスキルを身につける中で、Amazonの音声サービスAmazon Alexaのスキル(第三者や個人が開発する拡張機能)として『ハノイの塔トレーニング』を開発。スキルの開発力を競うコンテスト「Alexaスキルアワード2018」ではファイナリストに選ばれた経歴を持ちます。Alexaはクラウドベースの人工知能(AI)による音声認識プラットフォームで、話しかけることで音楽を再生したりニュースや天気の情報を得たりといったことができます。『ハノイの塔トレーニング』は、目で見たり手で動かしたりするのではなく、声のみで「ハノイの塔」のパズルを行うゲーム。ゲームの進行状況を頭で記憶しながら順序だてて進めなければならないという点で、新感覚の脳トレになることを狙ったもので、杉崎が日常生活を送る中で、物の配置や順序を記憶する経験が生かされた開発です。杉崎は、アクセシビリティを向上することはユーザの選択肢を増やすことだと考え、使いづらさを解決するためのアプローチに精力的に取り組んでいきたいと考えています。

今後、小林とともに、製品を操作する上での問題を洗い出し、それに基づいた製品改善を行うと同時に、イベント登壇やブログ、ニュースレターを通じて、アクセシビリティに対するさまざまな取り組みを社外に発信していく予定です。

「アクセシビリティ」へのサイボウズの今後の取り組み


「チームに入りたいと願うすべて方がチームにアクセスできる」ことを目指し、すべての開発者が当たり前のようにアクセシビリティの考えを製品に組み込む。そんな環境づくりをサイボウズでは推進していきます。


当社のkintoneやGaroonといったグループウェア製品でも、マウスが使いにくい人のためにアプリ管理画面の一部でキーボード操作を可能にしたり、色覚異常の人でも見やすいグラフデザインを導入するなど、日々バージョンアップを重ねています。

Webアクセシビリティに対応したkintoneモバイルアプリWebアクセシビリティに対応したkintoneモバイルアプリ


サイボウズのアクセシビリティへの取り組みについては、こちらのウェブページでもご覧いただけます。
https://cybozu.co.jp/efforts/accessibility/

また、サイボウズは、NPO法人アイ・コラボレーション神戸が毎年5月の第3木曜日に開催する「アクセシビリティの祭典」にスポンサーとして協賛しています。
https://accfes.com/2019/

【スポークスパーソン】小林 大輔
 

小林 大輔小林 大輔

2012年にサイボウズ株式会社に入社し、プログラマーとしてキャリアをスタート。2014年、ロービジョンの社員のユーザビリティテストを見たことをきっかけにアクセシビリティの活動を開始。2018年より、アクセシビリティエキスパートとして、社内外の啓発活動や製品改善などを専門的に行なっている。ウェブアクセシビリティ基盤委員会WG1委員。

 

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