【研究報告】「交配×三倍体」で作られる新しい牡蠣品種。「収益改善×環境配慮」を実現するこれからの養殖業を支援

~ シカメガキとマガキの交配種の作出を異質三倍体で実現 ~

うみの株式会社(本社:徳島県海部郡美波町、代表取締役:中村 智治)は、牡蠣類の養殖においてSDGs(持続可能な開発目標)の理念に合致する、収益率の改善と生態系を保全した持続可能な養殖業の発展に寄与する可能性があるシカメガキとマガキの異質三倍体の作出に成功しました。
 

上段:シカメガキとマガキの三倍体交配種 下段:シカメガキとマガキの二倍体交配種  同じ交配種であっても染色体セット数によって外形が変わる傾向にあることが観察された上段:シカメガキとマガキの三倍体交配種 下段:シカメガキとマガキの二倍体交配種 同じ交配種であっても染色体セット数によって外形が変わる傾向にあることが観察された

 
国内で一般に食されている養殖牡蠣は、生産量が最も多く主に冬に食されるマガキ( Crassostrea gigas )の他、イワガキ( C. nippona )やスミノエガキ( C. ariakensis )、さらに味が良いため海外で人気を得たシカメガキ( C. sikamea )などがあります。

マガキは様々な環境に適応できるため多くの地域で養殖されていますが、出荷(可食)時期が限られる、という課題があります。また、シカメガキはクマモトオイスターとも呼ばれ、生産できれば高単価で出荷できることが期待されるものの、国内では養殖法が十分に確立しておらず出荷前に死んでしまう為、あまり普及していないのが実態です。

さらに、カキ養殖に用いる種苗も問題を抱えております。養殖用のマガキ種苗は主に天然で発生した牡蠣類幼生を回収し、種苗として用いることが国内では一般的ですが、その際他の海域への移動が行われるケースがあり、これは当該地域に自生する牡蠣類の遺伝的多様性を奪うことにつながりかねないとも言われております。

そこでうみの株式会社では上記課題を克服した、味が良く、養殖しやすく、通年で出荷でき養殖エリアの生態系に影響を与えにくい品種の開発に取り組んでおり、その一案としてシカメガキとマガキを交配した三倍体種苗(稚貝)を得ることに成功し、さらに新たな知見を得るにいたりました。今後、社会的ニーズを鑑みつつ、この交配種について安定的な生産体制の実現とともに海面での養殖試験に取り組むべく準備を進めまいりたいと考えております。


※三倍体:染色体のセットを基本となる数(生物種によって異なる)の3倍もつ倍数体。牡蠣類は通常二倍体だが受精卵を処理することで人為的に三倍体を作出する事ができ、不稔性を示すため夏でも食べられる牡蠣ができる他、極めて交雑を起こしにくいことから遺伝的多様性の保全に有効。アメリカやオーストラリアでは全生産量の3~4割が三倍体で賄われていると言われている。三倍体の産業利用事例としてはバナナや種無しスイカなど。シジミやギンブナ等は自然個体が三倍体で水生生物には非二倍体の生物も多い。


【 うみの株式会社について 】

うみの株式会社は、「人と海を豊かにする」ことを目的とし、水産用種苗の製造販売のほか水産や海洋に関連する商材の開発研究・製造受託サービスなどを提供しております。
URL:https://umi-no.jp/
所在地:徳島県海部郡美波町山河内字外ノ牟井1-6
代表者:代表取締役社長 中村 智治
事業内容:水生生物に関する受託研究・製造サービスと養殖用二枚貝種苗の製造販売
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. うみの株式会社 >
  3. 【研究報告】「交配×三倍体」で作られる新しい牡蠣品種。「収益改善×環境配慮」を実現するこれからの養殖業を支援